「勝つだけがサッカーじゃない」<リオ五輪アジア最終予選観戦記(1)>

1月13日(水)ドーハ(カタール)にて、リオ五輪出場権をかけた、アジア最終予選B
組第1戦、日本代表は北朝鮮に1−0で辛うじて勝利。勝ち点3でグループのトップ
に立った(同組のサウジアラビア1−1タイ)。

この試合の前日(1/12)公式会見にて、手倉森日本代表監督は「日本の未来、この
世代を鍛え上げる大会にしたい。集中開催、過密日程、タフだからこそ高めてくれ
る」と、期待を込めて語っておられた。

ところが、この試合後の談話では「勝ったことが全て、選手たちは硬くなっていた
が、その中で勝てたのが大きい」というように、期待と現実のギャップの差を「勝っ
たことが全て」、とスリ換えている。

一方日本代表のゲームメーカーであるMF中島選手は「勝つだけがサッカーじゃない。
いいサッカーをして勝たないと、これから先が厳しくなる。アジアなので(勝て
た)。五輪の初戦でこんなプレーしたら大敗する」と、現実をしっかり捉えている。

日本は試合開始早々の5分、右コーナーキック(CK)をDF山中選手が左足でキック、
ゴール前の日本の選手が二アポスト側に揃って移動したとき北朝鮮の選手もつられ、
ファーポスト側がガラ空き、そこにロビング(ロフト)ボールは落ち、待ち構えてい
たDF植田選手は全くフリー、右足でシュートを決め、日本が先制。

これが「全て」だった。その後の日本は、北朝鮮にボールを支配され、見るべきもの
は何もなかった。

日本は失点0で、数字の上では、しっかり守ったかのように思われる。しかし、再三
再四セットプレーのフリーキック(FK)やCKにて、相手のシュートチャンスの失敗や
ボールの競り合いでペナルティーくさいプレーなど、日本のゴール前は、失点の危機
にさらされていたのだ。もし同点にされていたら、それこそ大敗していたかもしれな
い。それほど試合内容は、北朝鮮が戦術・技術・体力そして球際の競り合いで、日本
を上回っていた。ということは、日本選手たちのプレーに余裕がなく、無理なタック
ルで反則を犯していたのだ。

4−4−2の戦術では、ボランチの遠藤選手と大島選手がチームの攻守の起点になら
なければならないのに、A代表のカンボジア戦でのボランチのように、全く機能しな
いで混乱したかのように、選手間の距離をコンパクトに保てなかった。、トライアン
グルのワンタッチのパスもほとんどなかった。それに相手ゴールに攻め込んでも、ミ
ドルシュートを打たず、左右に展開して、無理な角度からシュートというように、得
点のチャンスはほとんどなかった。

それにトップのFW鈴木選手と久保選手や左右のMF南野選手と中島選手の連携プレーも
なく、やたらとドリブルするか楔のパスを入れるだけで、ボールを奪われたら、直ぐ
にプレッシャーをかけられる位置になく、個々の選手が苦しんでいたのだ。

試合の結果は勝ったけれど、チームとしてのコンビネーションプレーが成り立ってい
なかった、と言っても過言ではない。それほど、日本代表の初戦はひどかった。これ
は、やはり監督の責任でもあるのだ。

「勝つだけがサッカーじゃないよ」と言いたい。これが蜻蛉のつぶやきである。

By tombowchan

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