1月30日(土)ドーハ(カタール)。永遠のライバル日本代表対韓国代表の試合。両
国は、準決勝にて、既に五輪への切符を獲得しているので、最終予選ではなく、事実
上、U−23アジア選手権決勝であった。
試合前の予想では、韓国が絶対的に優勢と伝えられていた。というのは、この世代の
代表は親善試合以外に、日本は勝ったことがない。ロンドン五輪での3位決定戦とア
ジア大会でも完敗。しかも韓国は、このアジア最終予選で34戦無敗。それに、この試
合、韓国の監督も選手たちも「日本には負けない」と豪語するほど自信満々であっ
た。
韓国の試合を観ていないから私は、なんとも言えなかったけれど、試合が始まってみ
れば、下馬評どおり、韓国の、速いタッチのパスと動きの攻撃スピードに、日本の
ディフェンス(DF)陣はラインを下げて、クリアするのが精一杯という感じであっ
た。開始早々あっさりとゴールを決められたが、オフサイドの微妙な判定で救われ
た。その後、前半20分に左サイドからのクロスから先制点を韓国に許し、その後も、
ボールを支配され、日本の核となるべくボランチが機能せず、サイドも攻撃の組み立
てができず、一方的な試合だった。追加点されてもおかしくない展開であったが、韓
国はパス回しでシュートをせず、前半1−0で終了。
後半、日本はFWのオナイウに代えMF原川。FWは久保のワントップ。韓国は開始
早々の2分に右サイドからのクロスをゴール前でフリーのFWにこれもあっさりゴー
ルを決められ0−2。この時点では、大敗ムードであった。14分日本はMF大島に代
えFW浅野を入れ、ツートップに戻した。この交代が、両チームの形勢を逆転。22
分、MF矢島の縦パスに反応した浅野が右斜めに快速で走り、相手GKの出ばなに右
足でシュート。ボールはゴールへ吸い込まれ1−2。このゴールで、韓国の選手は動
揺し、同時に疲れが出だしたのか、その後1分もたたず、左サイドからDF山中が
ゴール前にクロス、矢島がヘディングできれいに決め同点。このクロスもGKが前に
出てパンチでクリアできたのだが、その前のゴールで集中力がきれていたのだろうと
思う。
35分、中島の浮き球のパスを、ゴール正面で、浅野が相手DFに体を当て、空かさず
ボールを受けて抜け出し、GKと1対1で向き合い、冷静に左足でゴール右隅に流し込
み、ついに逆転に成功。その後、矢島に代えMFの豊川を入れ、タッチラインを利用
して時間稼ぎ。タイムアップの笛がなり、日本代表の若者たちは、準決勝のイラク代
表との因縁、そしてこの決勝戦で韓国の連勝記録更新の野望と自信満々の幻想を突き
破り、アジアの頂点に立った。
「おめでとう!そして、ありがとう!」これが蜻蛉のつぶやきである。
追記:前回、植田選手(正)の名前を、上田選手(誤)と誤って記載してしまいまし
た。ここにて訂正させていただきます。