日本代表総評:マネージメントの勝利<U−23日本代表リオ五輪アジ ア最終予選(7)>

現代の情報社会はサッカー界にグローバル化をもたらした。そのため、サッカーの戦
術・技術・体力といったものには、それほど格差がなくなってきている。それに、今
回の五輪予選のようにU−23という同年代にてのレベルでは大きな違いはない。勝
負を分けるのは、ディーテール(細部事項)の面で、対戦相手を上回る必要がある。
特に今回のリオデジャネイロ五輪出場をかけたアジア最終予選は、猛暑の中東カター
ルでの集中開催、期間約1カ月、それに過密日程といった中で、チームをマネージメ
ントしなければならない。

そのような厳しい条件の中で、手倉森監督の率いる日本代表は、五輪出場権獲得とア
ジアU−23選手権優勝という、素晴らしい結果を出した。個々のレベルでは、対戦
した韓国、イラク、イラン、北朝鮮と比較して、正直なところ日本の選手は高いとは
言えなかった。グループ戦の北朝鮮との試合を観戦したときの印象は最悪であった。
しかし、1−0で勝った。この試合の内容と結果が、逆に、チーム内に、危機感と競
争心が芽生えたことが、その後の快進撃をもたらしたと言えよう。

このチームは「谷間の世代」と呼ばれていた。手倉森監督がこの世代を引き受けたU
−19時代は、先発と控え、関東と関西など派閥が乱立して、「ミスしろ、ケガし
ろ」と身内の自滅を願う選手がいたそうだ。そのため、監督は規律を正すために人間
教育から着手したそうだ。ペルーで、私もこのような規律のないチームを何度も引き
受けてきたので、監督の気持ちがよく理解できる。こういう選手たちだからこそ、一
旦同じベクトルを合わせだすと、競争意識をもちながらチームが勝つために仲間意識
が強くなる傾向がある。

こういう規律のないチームだからこそ、監督をはじめコーチングスタッフ、チームを
支えるスタッフ全員に、緻密な作業が求められる。このような大会では重圧で、敏感
になって、特にストレスが溜まりやすい。それに、連日の練習や試合で体力の回復と
いうか調整が難しい。そういう面は外部の我々には見えない部分。手倉森監督は、初
戦の北朝鮮との試合前日に行われた公式会見にて「日本の未来、この世代を鍛え上げ
る大会にしたい。集中開催、過密日程等、タフだからこそ高めてくれる」と語ってお
られた。

これまで取り上げてきたデイーテールの差は、どれだけ選手たちのストレス、メンタ
ル、フィジカルといったマネージメントが発揮できたかの差と幸運の差とも言える。
その差は、準々決勝から決勝まで、8得点中7得点が、他国の足が止まった、後半1
5分以降に生まれていたこと、交代選手が活躍して結果を出していたこと、ゴールを
決めた後、控えの選手たちと喜びを分かち合っていたこと等々。

優勝という結果を出したチームは、必ずといって、そこに辿り着くまでに、綿密なプ
ランとたゆまない努力をしている。この度のU−23の五輪出場権獲得とアジア選手
権優勝は、総力を結集できたマネージメントの

勝利と言えそうだ。これが蜻蛉のつぶやきである。

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By tombowchan

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